三日の猶予

「あぁ、では三日の猶予がございます。」とホームズはあくびをする。「好都合です。今、調べておきたい大事なことが一つ二つございますので。無論、陛下はロンドンに当座、ご逗留なさいますね?」「そのつもりだ。ランガム・ホテルにフォン・クラーム伯爵名義で滞在しておる。」「では、進行状況を電報でお知らせしましょう。」「そうしていただこう。気が気でないのでな。」「それから、報酬の方は?」「白紙をお渡しする。」「では全権を?」「写真が戻るのならば、余は王国の一領土を与えることもいとわぬ。」「当面の費用は?」 王はセーム革の袋をマントの内から取りだし、卓上に置いた。「ここに金貨で三〇〇ポンド、紙幣で七〇〇ポンドある。」 ホームズはメモ帳から一枚、領収の旨を走り書き、王に手渡した。「ご婦人の住所は?」「セント・ジョンズ・ウッド、サーペンタイン並木道のブライオニ荘だ。」 ホームズは書き留めると、「もう一つ、質問がございます。写真はキャビネ判ですか?」「そうだが。」「しからば、おやすみなさいませ、陛下。じき、良い知らせをお届けすることを約束致します。それからワトソン、君もおやすみ。」 王のブルーム型馬車が通りを去っていったあと、ホームズはこう付け加えた。「明日の午後三時にご訪問いただけると、これ幸い。君とこのささやかな事件について語りたく存じます。」

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