広津和郎の「故国」

 と、ここまでくると、この論者、あらゆる精進を、すべて排斥するかに見える。しかしそうなってくると、例えば、広津和郎の「故国」など、最も立派なものと云わなければならないだろう。労を惜しんだ取扱い方、作意の沈潜の足りなさ、ディレッタンチズムの匂いのする筆致、それが、却って、あらゆるポーズから解放されたも...

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そんなことでは、よい作品は書けない

「然し、」と友人は断乎として云う、「そんなことでは、よい作品は書けない。書かないでもよいようなものを書くのは、固より愚劣だが、よいものを書こうとする緊張感は、却って創作の邪魔になりはしないかね。緊張感のために硬ばった作品が余り多いじゃないか。」 さてそれは、分るような分らないような……私は一寸彼の...

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傍人の言

傍人の言豊島与志雄

「文士ってものは、こう変に、角突きあってる……緊張しあってるものだね。」 そうある人が云った。――この人、長く地方にいて、数ヶ月前に東京へ立戻ってきたのであるが、文学者や画家に知人が多く、といって自分では何にも書きも描きもしないで、少しばかり教師をして、多くは遊んだり読んだ...

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