フランシス・ジャムらしい詩人のこと

 こんな手紙を君に書きながら、私がいま思い出しているのは、二三日前にも読み返したリルケが「マルテの手記」の中でフランシス・ジャムらしい詩人のことを書いている一節だ。――「ああそれは何という幸福な運命であろう。先祖代々の家の、物静かな部屋に坐って、家付きの落ちついた家具に取囲まれながら、まぶしいほどの...

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緑色の屋根をした大きなヴィラ

 この家のすぐ裏がやや深い谿谷《けいこく》になっていて――この頃など夜の明け切らないうちから其処《そこ》で雉子《きじ》がけたたましく啼き立てるので、いつも私達はまだ眠いのに目を覚ましてしまう程だが、――それでも私はその谿谷が悪《にく》くなく、よく小さな焚木《たきぎ》を拾いがてらずんずん下の方まで降り...

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防火栓は奇功を奏した

 トロツテルは又拳骨を振つて囲を衝いて、火消番の立つてゐる所へ往つた。救のある所へ往つた。 そこでどうなつたか。気の毒千万なのはロオデンシヤイド市民と元日のおなぐさみとである。天罰の下るやうに、曲馬場の中から喞筒《ポンプ》の水が迸り出た。滔々乎《たう/\こ》として漲つて息《や》まない。あらゆる物を...

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