カスペリイニイの曲馬場

 カスペリイニイの曲馬場は正面の入口が頗広い。併しその広い入口一つしか無い。入口が即ち出口である。さて午後興行に這入つた客が太平無事を楽んでゐるうちに、晩の興行に這入らうとする客が、なるたけ入口に近く地歩を占めようとして、次第次第に簇《むら》がつて来た。各《おの/\》番号の打つてある札を持つてはゐる...

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度度噂のあつた事

 度度噂のあつた事が、いよ/\実行せられると聞いた時、市中の人民は次第に興奮して来た。これまで毎年ロオデンシヤイド市に来る曲馬師の組は、普通の天幕の中で興行したのだが、それはもう罷《や》められる。旅興行が定《ぢやう》興行になる。お寺のすぐ脇のマリアの辻には、鉄骨の大曲馬場が立つ。五千人入である。やれ...

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さういふ議論も成立つね

「当り前さ。変らなくつてもいいんなら、今更、君なんかが物を書く必要はないぢやないか」「さういふ議論も成立つね。しかし、おれは、何も、今迄の人がやらなかつたことをやらうと思つてゐやしない。おれの作品はおれから始まつておれに終る、さういふ一つの歴史しかもつてゐないと見てくれたらどうだ。文学をその時代的...

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